自家製茶油を作るための家庭用「搾油機」の調査

茶の木に白い花が咲き、茶の実の季節が到来。青々とした果実に亀裂が入り、中の実が茶色くなって、ぽろりと落ちたら収穫しています。

昨年、マンパワーで茶油を搾ってみたところ、ごく微量しか取れなかったため(油の貴重さを実感)、専用の道具「搾油機」(さくゆき)について調査検討中です。大量の油を作る訳ではないので、以下の条件に絞ってリサーチしてみました。

  • コンパクトで、場所を取らないこと(※業務用ではなく家庭用)
  • 「茶の実」の油を搾れること
  • 抽出する油は少量でOK
目次

1.手動搾油機の比較

いずれもハンドル手回しなので、腕力が必要です。

スクロールできます
品名値段よい点悪い点
手動オイルプレス機(CGOLDENWALL)約1~1.5万円・価格が安い。調べた中で最安    
ステンレス製で洗いやすく、錆びにくい
クランプ式で、机に穴を開けずに固定できる
・アルコールランプ加熱式で、抽出率が高い
・非加熱での利用も可
・アルコールランプが必要
・漏斗・ランプ用オイルなどが必要
・メーカーサイトがなく情報が少ない
・組み立てが必要
手回し搾油機
PITEBA
約2万円利用実績が多数ある
・アルコールランプ加熱式で、抽出率が高い
・非加熱での利用も可
・メーカーサイトで交換部品を購入できる
器具を固定する台が必要
・漏斗・ランプ用オイルなどが必要
・そうじが大変
水洗い後、きちんと乾かさないとすぐ錆びる        
・組み立てが必要
家庭用油しぼり機
SHiBORO-mini
約5万円  ・玉絞り式で高品質の油がとれる
・小型で場所をとらない
・組み立て不要&使い方が簡単
・必要なものが一式そろっており、これを買うだけで油を搾れる
食器洗い乾燥機で洗える
日本製でサポートが期待できる
レンタルできる
値段が高い
一度にとれる油は3~4g(こさじ1杯)と少量(搾油率が低い)

手動オイルプレス機(CGOLDENWALL)

  • 価格    :★★★★★
  • 洗いやすさ :★★★
  • 油の抽出率 :★★★
  • 使いやすさ :★★
  • サポート  :★

※★:実際に購入して試したわけではないので、商品説明などを元にした個人的な評価です。

仕組みや使い方は、後で紹介するPITABAと同じようです。後発の廉価版といったポジションでしょうか。違いは、ステンレス製かつクランプ式(机に挟んで取り付け)、アルコールランプは自分で用意する必要があること。

一番安い製品ですが(楽天だと1万円)、色々と調べていると一抹の不安が…。amazonの評価が二分していたので、商品レビューの信用度を判定できるツール「サクラチェッカー」で調べた所、レビューのやらせ度「99%」という結果に。

低評価レビューを見ると、購入を躊躇する内容です。メーカーの公式サイトがなく、Amazonでの並行輸入品なので、アフターサービスも不安が残ります。この会社、「業務上の電動式オイルプレス機」については、欧米での評価はそこそこ高いようなのですが…。

手回し搾油機「PITEBA」

  • 価格    :★★★★
  • 洗いやすさ :★★★
  • 油の抽出率 :★★★
  • 使いやすさ :★★★
  • サポート  :★★★★

オランダ製の手動搾油機で、コストパフォーマンスがよい一品。公式サイトなら「約1.7万円」で購入できます。(本体92,81+送料25,22=118.03ユーロ。2022/10/16時点のレートで換算)

発展途上国の食料自給や収入工場を目的として、開発されたそうです。オランダのフローニンゲンという地方で使われていた「菜種油の圧搾機」をヒントと、5年の歳月をかけて完成。

「エクスペラー式」という搾油方式で、ハンドルを回すことでスクリューが回転し、種を押しつぶして効率よく油を搾ることができます。公式チャンネルの動画で、組み立て方&使い方がわかります。

世界中に利用者がいて実績豊富な商品ですし、レビューや体験談も多く、つまづいたり困った時にすぐ調べられる点も◎。特に、こちらのブログが参考になります。

搾油機PITEBA 総まとめページ(自給自足がしたいサラリーマンのblog)

注意点としては、しっかり固定する台が必要なこと。万力で机に固定したり、台をDIYしたり、みなさん色々工夫しています。なお、メーカーから机に固定するための専用機材も販売されています(※5800円ほど)。万力同様、はさんで固定するので、机に穴を開けずに済み、取り外すことができます。


家庭用油しぼり機「SHiBORO-mini」

  • 価格    :★★
  • 洗いやすさ :★★★★★
  • 油の抽出率 :★★
  • 使いやすさ :★★★
  • サポート  :★★★★★

山口県山口市の「有限会社 石野製作所」の製品。コンパクトなデザインで、組み立て不要&洗いやすい構造です。

これ1つ買うだけで、すぐに搾油できることは魅力的。シリンダーに種を入れてハンドルをくるくる回し、押し潰すというシンプルな作り。日本製なので、使い方がわからない時にすぐ質問できますし、サポートも安心。また、特筆すべき点として、レンタルできます。少量生産で使用頻度が低い場合、購入せずに毎年レンタルで済ます、というのも一案ですね。

難点は、抽出できる油が少ないこと、力が必要なこと(公式サイトに「力があまり強くない方には不向きです」と記載あり)。ただ、小学校の授業などでも利用されているので、大半の方は大丈夫では。また、手回しは疲れるので、このくらい少ない方が意外といいのかもしれません。

値段を考えると、次章で紹介する電動式が購入できるお値段なので、悩ましい所です(石野製作所さんにも電動式はありますが、10万超します)。

2.電動搾油機の比較

当初、電動式は対象外だったのですが、調べてみると、意外と手ごろなお値段で購入できることが分かりました。いずれも過熱式で「材料を投入し、ボタンを押すだけ」という手軽さです。

スクロールできます
品名値段よい点悪い点
FoundGo
オイルプレス機
 
約3万円 電動式で最安
温度調整できる(50~240度)
・カラー展開が豊富
・すべての部品を内部に収納できる
・日本語の説明書つき
日本で使えるか不明
・日本人のレビューや体験談がない
・海外製の輸入品で動作&サポートに不安あり
電動オイル絞り器
オイルプレッソ」 
約5~6万円 ・キッチンになじみやすいデザイン
・洗いやすい
日本向け商品なので、確実に利用可能   
・オイルポットと搾り粉用容器つき
5mm以上の原料は砕く必要がある
茶の実に対応しているか不明
すでに販売終了している
・今後、修理などのサポートに難があるかも
・稼働中、ブーンと音がする

オイルプレス機(FoundGo)

  • 価格    :★★★★★
  • 洗いやすさ :★★★★
  • 油の抽出率 :★★★★★
  • 使いやすさ :★★★
  • サポート  :★

この価格で電動式が購入できるとは驚き。商品説明欄に、原材料として茶の実が使えることも明記されています。

注意点として、海外の家電を購入する場合、「日本で使えるか」は要チェックです。Amazonの商品ページでは、日本人のレビューが1つもないんですよね。。

この商品は電圧が「110V」なので、変圧器(アップダウントランス)が別途必要です(※日本の電圧は100V)。また、コンセントプラグを日本仕様に変更するための、変換プラグも必要。調べた所、2つあわせて6000円ほどです。

電動オイル搾り器「オイルプレッソ」

  • 価格    :★★★★
  • 洗いやすさ :★★★★
  • 油の抽出率 :★★★★★
  • 使いやすさ :★★★★★
  • サポート  :★★

大阪のすこやかキッチン合同会社という会社の商品。2017年1月1日発売。海外製品を日本向けに改良したものです(日本の「電気用品安全法(PSE)適合性検査」に合格)。ですから、「日本で使えることが保証されている」という安心感があります。

元は、「ROMMELSBACHER」というドイツのメーカーの商品のようです。機能は同じなので、使い方は「ROMMELSBACHER oil press machine」などで検索すると、色々ヒットします。

定価は6万円ですが、最安で4.5万ほどで販売されています。

難点は、すでに販売が終了していること(2022年1月末に終了)。在庫限りでそのうち手に入らなくなりますし、将来的に、サポートは打ち切られ、修理や部品交換などは難しくなります。

また、 公式サイトでは「椿の種等の大きいものはご使用できません」と記載があり、茶の実でも使えるかは不明です。ただ、「オイルプレッソで椿油が取れた」という動画もあるので、茶の実も同じように砕けば利用できるのかもしれませんが確証は持てず。

茶の花が咲き、実がなるのは1年後。なので、今年の茶の実は、去年の花のもの。

思いのほか深い、家庭用搾油機の世界。

コストパフォーマンスを考えたら市販の油を買った方がいいのですが、「自分で油を作る」というプロセスは面白く(無理ない範囲にしておかないと、ぐったりしてしまいますが)、色々と試行錯誤する楽しさがあります。

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