黄檗売茶流 煎茶会@未来の杜せんだい 2023

黄檗売茶流 仙台CITY GARDEN煎茶会@未来の杜せんだい 2023

随分と日が経ってしまったが、国内最大級の花と緑の祭典、全国都市緑化フェア 「未来の杜せんだい2023 ~Feel Green!~」にて、黄檗売茶流の煎茶のデモンストレーションを実施。

スペース上、席数が3席に限られていたため、大々的な告知はせず、当日先着順&無料にてお茶のおふるまいとなった。

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杜のリビングガーデン

「街中で自然環境に触れ、サステナブルな暮らしを提案する」というコンセプトのお庭。

前日に雨がサァーと降っていたので緑が鮮やか。小さな田んぼに、小川は流れて小池に。畑には、おいしそうな空豆やイチゴ、レタスなどが。ミニ盆栽にミニ動物が各所にひそむ。コンパクトなエリアに、ぎゅぎゅっと多種多様な要素が詰まっている。

このエリアは、毎年ロンドンで開催される世界的なガーデンの祭典「チェルシー・フラワーショー2016」(主催:英国王立園芸協会)で、ショーガーデン部門のシルバーメダルを受賞した「East & West Garden」を再現した庭という。

未来の杜せんだい2023 「杜のリビングガーデン」エリア(FOREST FARM、2023/2/6)

煎茶席@Sendai City Garden

里山エリアで、煎茶道 黄檗売茶流 中井霜仙 総師範の元、野点のデモンストレーションを開催。

お茶席が設置されたのは、コンテナを再利用した現代の東屋。非常時においては、防災基地として利用できる優れもの。非常によいアイデアと思った所、随分前から考案されていたものらしく、もっと普及したらよいのにと思う。

地方都市の遊休地を「コンテナ町家」で活性化、綿半(2016/2/1、日経BP総合研究所)

客座は緑に囲まれた池向い、背景のThanksのメッセージは自然への感謝。桃色のシャクナゲが咲いていて華やか。

竹の月見台の手前座に座ったみたら、気持ちのいいこと。席数が絞られている分、準備や片付けも余裕があり、ゆったり時間が流れる。

道すがらお茶会の様子が見れるのは、野点の良さ。「お茶をやってる!」とふらっと立ち見の方も多数。お抹茶の茶席と思っている方が多かったように思う。仙台で活動している煎茶道の流派はいくつかあり、例えば、織田信長の弟、織田有楽斎を茶祖とする織田流さんはお家元が仙台在住で、活発に活動されている。ただ、世間一般にはあまり知られていないかもしれない。お抹茶と勘違いするのも仕方ないこと。

せせらぎやカエルの鳴き声も聞こえてきて、大変清々しくきもちよいお席だった。イベント期間限定のお庭とはもったいなく、常設でこういう場所があればいいのにと切に思う。

仙台と黄檗宗の関わり

実は、伊達家は4代藩主 伊達綱村公の時に、黄檗宗に宗旨替えをしている。そして、売茶翁は雲水時代の若かりし頃に仙台を訪れ、綱村公が教えを仰いだ月耕禅師の元で修行している。

仙台の夏の風物詩である「広瀬川の灯ろう流し」は黄檗宗の法要「川施餓鬼」に由来するなど、実はこの地と黄檗宗は縁深い。戦争や災害で多くのものが失われ、当時の大伽藍の面影はなく、今となってはわからないことも多いけれど。これについてもいずれまとめてみたい。

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