如意

如意

「如意 」( にょい )は、僧が読経・説法のときに持つ道具で、煎茶道では茶席の席飾りとして用いられます。孫の手の形で、先端をわらび形に巻き曲げた形状をしています。「爪杖」(そうじょう)とも呼びます。

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如意の由来

如意は「意の如し」、思いのままになるという意味です。煎茶の盛り物では、百合・柿・霊芝の組み合わせで雅題の「百事如意」を表します。 中国のお正月では、年賀状などのお祝いの言葉として「万事如意」「吉祥如意」がよく使われます。

「和漢三才図会」によれば、如意の由来には「孫の手」「忘却防止の道具」の2つの説があるとのことです。

背中をかくための日用品

元々、孫の手のように、手の届かない背中のかゆい所をかくために、柄の長さ三尺の「爪杖」(そうじょう)という杖を使っていました。「意のままにかくことができる」ことから「如意」と呼ぶようになったという説です。日常生活で使われる道具が、意義を正す法具に転用された、というわけです。

物忘れ対策のための仏具

僧侶が、密かに節文祝辞を柄にしるし、物忘れに備えていました。このことから「如意」と呼ぶようになったという説です。

如意の形状・素材

沉香木如意(清・乾隆帝時代、1736-1795年):台湾の故宮博物院の所蔵品

柄の部分がなだらかにS字に曲がり、先端が広がった形をしています。

木製・象牙製・金属製・鯨のヒゲなど、様々な素材が用いられます。柄の部分を玳瑁(たいまい)や螺鈿・宝石などで装飾を施した、豪華なものもあります。如意の先端の形状には諸説あり、雲葉や篆書の「」の字を表しているとも言われています。

沉香木鑲珠玉如意(清・乾隆帝時代、1736-1795年): 台湾の 故宮博物院の所蔵品

雲形

銅製鍍金木柄如意
銅製鍍金木柄如意(平安時代 957年、法隆寺献納宝物。東京国立博物館蔵の所蔵品)

写真の如意は木の持ち手に根来塗、金属製の如意頭が雲形で、宝相華文・葉状文が施されている手の込んだもの。

霊芝型

瑪瑙霊芝如意(清代 1644-1911年) : 台湾の 故宮博物院の所蔵品

この他にも、蓮の形をしたものなどが様々な形があります。如意の由来や形状について、下記サイトに詳しい記載があったので、参考として掲載しておきます。

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