残念なことに閉店されました。支店の「鎌倉倶楽部茶寮 小町店」は営業しています。
湘南モノレール・西鎌倉駅から徒歩2分、日本茶専門店「鎌倉倶楽部茶寮」へ。
初めて降り立った駅。戸惑いながらも、美味しい茶が頂けると聞けば、訪れずにはいられない。
鎌倉倶楽部茶寮へ
白い壁に、片側だけが大きく傾斜した黒い屋根。入り口にはひさしが付き出し、アシンメトリーな和風建築。
2017年9月にオープンしたお店だそうで、外観がとても綺麗。
目印は手書きの看板
店頭には黒板が。外から中の様子を伺い知ることはできないので、親しみやすい字の手書き看板にほっとする。
こういった、人の温度感が感じられるものはとても大事。初めてでも入店する気持ちを後押ししてくれる。印刷の文字では全く違う印象だろう。
麻ののれんをくぐって、いざ店内へ。
中には、高級寿司屋のような白木のカウンターが。銀杏の木だという。重厚で立派な木材。
鉄の釜に、しゅんしゅんと湯が沸いている。座席はカウンターのみで、10席未満だろうか。
L字型のカウンターなので、どの席からでもお店の方との距離が近い。目の届く範囲で、コミュニケーションを取れる範囲で、お茶を出したい、という思いを感じた。
1円玉のはかり
カウンターに置かれたはかりの上に、1円玉が。最初なんだろうと思っていた所、お茶を注文して得心した。
6gの茶葉を図るために、1枚1gの1円玉を6枚。なるほど、身近なものを活かすセンス。
はかりで計測された、恭しき茶葉。6グラム。
鎌倉倶楽部茶寮のお茶請け
選べる「二十四節気」セット
シャーレのようなガラスのプレートに載せられた、色とりどりのお菓子。
二十四節気の本日のお菓子セットは、10数種類の中から選べる方式。実物を目の前に見せて頂けるのがうれしい。
和洋折衷のお菓子
羊羹、梅寒天、クロモジの香りのするチョコレートと、和洋折衷。1つ選ぶのは難しい。
むしろ悩まない人はいないのではないだろうか。あれこれと悩んだ末に、こちらのお菓子を。
スポンジ生地とフルーツグラノーラ、マスカルポーネにユリ根がたっぷりとかかった、手の込んだ一品。
上には、茶葉のハチミツ漬けがちょこんと添えられている。チーズと茶は相性がよい。
日本茶メニュー
お茶のメニューも豊富。抹茶・煎茶・玉露・ほうじ茶に、和紅茶。
アレンジティーも色々とあり、抹茶ビールに抹茶スカッシュ・お茶焼酎など。今回は抹茶と煎茶を一碗ずつ頂いた。頂いたお抹茶は、泡がきめ細やかでクリーミー。
煎茶の「玉緑茶」
童仙房、牧之原、玉露雁音。色々な煎茶があったが、今回は玉緑茶(たまりょくちゃ)を頂いた。
こちらの品種はあさつゆで、宇治生まれとか。
思いのほか水色が濃く、一見するととても味が濃く苦そうに見える。一口飲むと、甘味と旨味が濃く、まろやか。苦味や渋味といったものは少ない。見た目と中身にギャップのあるお茶。
煎茶スカッシュ
お隣さんから一口頂いた煎茶スカッシュが、とても美味しかった。
普段アレンジティーは好んで飲まないのだが、こちらの煎茶スカッシュは柑橘の風味が爽やか。家でもやってみたくなる。夏に飲んだら、さぞ美味しいだろう。
選べる茶道具
お抹茶を注文した所、「茶碗を選んでください」と。
棚には、1点1点個性豊かな茶碗が並んでいる。思案して、水色が綺麗に見える黒のうつわをお願いした。つやのある内側と打って変わり、外側はマットな質感。赤味がかった肌は、溶岩のような印象。
抹茶は茶碗、煎茶は急須
煎茶の方は、お茶を淹れる急須を選ぶことができる。一煎目はお店の方が淹れてくださり、二煎目は自分で。お菓子用にあっさりとした味に。
店内には、茶葉や茶器・衣類などのコーナーも。審美眼が感じられるセレクト。
中ても面白かったのが、箸置きやボタンなど、茶葉をガラスに閉じ込めた雑貨。本来は儚い緑色。綺麗なままで、茶葉がその姿を留めている。食べるだけではないという発想に、お茶への愛が感じられる一品。
落ち着いた店内で、目にも舌にも美味しいお茶とお菓子を頂くことができ、とても贅沢な時間を過ごすことができた。鎌倉に足を延ばした際には、ぜひおすすめしたいお店。
- 鎌倉倶楽部茶寮(〒248-0032 神奈川県鎌倉市津1040-50)