1月13日、北鎌倉宝庵にて初煎会(はつせんえ)が開催された。
茶道でいえば、初釜。煎茶道では釜はかけないため、初煎・初煎会、流によっては初煮と言うところも。忙しくしているうちに、随分と日が経ってしまった。「心を亡くす」と書いて「忙」。身を持って実感する。
北鎌倉 宝庵
この日は、注文していた「本裳」(ほんも)を頂いた。
本裳は、着物の上から身に付ける前掛け。丈が長く、ギャルソン・エプロンのような形をしている。茶会の時に手前・童子・席主がつけるもので、流派によって付ける所と付けない所があり、名称も異なるようだ。
元は、黄檗宗の僧侶が身に付ける衣と聞く。そのため、着用したまま休憩したり、御不浄に行ったりすることは許されない。
無事是貴人
お茶席に入らせて頂く。お軸は、「無事是貴人」。
禅語で言えば、無事は悟りを開いた状態、澄み切った心。しかし、この日は「無事」を寿ぐ言葉として。政治情勢しかり、卑近な例として家庭なり仕事もしかり。平和とは何もせずに長く続くものはなく、努力あってのものとつくづく思う。
手前座は、水注・茶銚・茶心壺と、赤絵尽くしの道具組。
日々新又日新
そして、禅語の「日々新又日新」のお話。
日々に新たにして、又た日に新たなり。色々と思う所が多く、かえって言葉にできない。
黒に赤い実が映える。先生の設えは、華美に走らず、色数をおさえたモダンな雰囲気が多いなと感じる。
正月の縁起物「亥」
亥(イノシシ)の香合が巾盒に。干支の置物は、正月の縁起物。
十干十二支では、2019年は「己亥」(つちのと=土の弟・い)の年。
そういえば、中国や韓国・台湾・香港では、イノシシではなくブタ。中国語で「亥」はブタを意味し、イノシシは「豬」(野豬)と表記する。以前、亥の年の旧正月に中国に行った所、黄金のブタの置き物がそこかしこに飾られていた。元々、十二支は中国から伝わったもの、なぜ日本だけイノシシになったのか、不思議だ。
白梅
床に生けられていた梅の花。頂いて帰り、数日後に花開いた。春、来たる。
トンネルを抜ければ明るくなるように。