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煎茶道具・茶器

仙媒・茶合・茶則・茶量

仙媒

「仙媒」(せんばい)は、茶葉の量を測って急須にいれるための道具、言わば茶さじです。

「茶合(さごう)」「茶則(ちゃそく)」「茶量(ちゃりょう)」など、煎茶道の流派によって、様々な名称があります。仙媒は、仙境を媒介する道具という意味です。

素材で最も多いのは、竹です。縦に半分に割った形をしています。長さは12~15センチくらいで、金属・象牙・木・大理石・漆塗りのものもあります。

書斎の腕枕の転用が始まり

仙媒

文房(書斎のこと)の必需品の一つ「臂擱」(ひかく)を、小型化した代用したことが仙媒の始まり、と言われています(「静嘉堂 煎茶道具 鑑賞の手引き」より)。そのため素材は竹が多いと言われています。

臂擱の「臂」とは「肘」、「擱」は「置く」という意味で、臂擱は「書や絵を書く時、筆を安定させるために使う腕枕(わんちん)」という意味です。

仙媒の裏面には、唐彫・焼き彫(焼け火箸で描写する技法)などで、中国風の山水画や漢詩などが刻まれている物もあります。

仙媒の竹の種類

亀甲竹の仙媒。亀甲竹は、仏の顔に見立てて、仏面竹(ブツメンチク)とも呼ばれる。

仙媒には、様々な種類・文様の竹が使われています。また、節付き・節なし、どちらも使用します。

白竹(真竹) 一般的な竹
黒竹(くろちく) 渋い紫黒色の竹
斑竹(はんちく) 斑紋のある竹。支那竹(しなちく)・紋竹(もんちく)とも
虎斑竹(とらふだけ) 斑竹のうち、虎皮のような模様がある斑竹。虎竹とも
雲紋竹 茶褐色の雲のような模様がある紋竹
亀甲竹 節間が亀の甲羅の形の竹。孟宗竹の変異が、固定種となったもの
紅斑竹 鮮明な斑が特徴。「楊貴妃の涙が落ちて模様になった」と言われる
胡麻竹 立ち枯れし、菌により胡麻を蒔いたような黒点模様が出た竹
煤竹 釜戸や囲炉裏の煙により長年かけて燻され、茶褐色になった竹

斑竹の由来|中国の言い伝え

「斑竹」は仙媒の第一とされ、紅斑竹や紫斑竹は特に珍重されており、「湘妃竹(しょうひちく)」とも呼ばれます。胡弓を作る材料としても有名です。

その昔、中国の皇帝・舜が崩御した時、瞬の妃は9日9晩泣き続け、最後には血の涙を流し、竹に涙の斑文を生じさせた(述異記)という逸話があります。涙竹とも呼ばれる所以です。

※参考:湘妃竹(涙竹)の悲しい由来

仙媒の真・行・草

仙媒(月に鶴)

「煎茶全書」(主婦の友社 48年)によると、仙媒のサイズによって、真・行・草に分類されます。但し、サイズは流の好みもあり一定せず、材質・作者や由緒の正しいものは、行や草でも真に準じて扱うこともあります。

「煎茶全書」では、竹の仙媒の場合、「真は節あり」「行では節なし」と記載されていますが、黄檗売茶流の場合は「玉露は節なし」「煎茶は節あり」という習いです。

長さ14cm、幅4.5cm。
長さ12cm強、幅は真とほぼ同じ
長さ15~18cm(真より大きいもの)

 

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